生田裔神八社とは、神戸市の生田神社を囲むように点在している裔神(末社に祀られる神)八社のこと。近年は港神戸守護神厄除八社とも呼ばれ、数字の順に巡ることを八宮巡りといい、厄除けになるとされている。2月3日が縁日。この八社の並び方は北斗七星に似ているのではという説がある(現在は相当ずれている)。鎮座については諸説あるが、神功皇后三韓征伐の帰途、生田神社の裔神八柱の神を8ヵ所に奉斎された、とよくいわれる。八柱の神とは日本神話のアマテラスとスサノオの誓約の段で産まれた三女神・五男神とされているが、七宮神社の祭神は全く異なる。 |
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生田神社一の鳥居。三宮神社の一筋東にたつ。 |
各社に掲示されている八社の案内板。 |
一宮神社拝殿。祭神は田心姫命(たぎりひめ、又はたごりひめ とも)。福岡の宗像大社から勧請したと伝わる。中央区山本通に坐す。 攝津名所圖會にいう。「生田一宮(いくたいちのみや) 北野村にあり。生田裔神八前の其一なり。今天満天神と稱す。北野の名によるか。此地の生土神とす。」 |
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これは一の鳥居だがここから直接拝殿に進めない。左の道に出て10m余地点の二の鳥居から入り直す。 |
境内の紅梅は満開であった。因みにこのお社は東南に正面を向ける。 |
二宮神社拝殿。祭神は天忍穂耳尊ならびに応神天皇。中央区二宮町に坐す。 |
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一の鳥居、拝殿すべて当社は南面(微東)する。ただし東西にも門があり鳥居が立つ。 |
拝殿千木の向こうに布引ハーブ園へのケーブル「風の丘」駅舎が見える。 |
三宮神社拝殿。祭神は水の神である湍津姫命。古い記録がなく、いつ創設されたかなどについては未詳。航海の安全と商工業の繁栄を守る神として、古くから一般の崇敬厚い神社。神戸事件発生地としても有名。中央区三宮町に坐す。 攝津名所圖會にいう。「三宮神祠(さんのみやのやしろ) 神戸村にあり。生田裔神八前の内なり。此所の生土神とす。」 |
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当社は神戸大丸の斜向かいに位置し、これも南面(微東)する。因みに鳥居は神明鳥居の変形か? |
拝殿前に干支の図が埋め込んであって、自分の干支の上で写真を撮りお守りを受けると幸運が訪れる、と。乃公は不遜にもその後段を省略したので幸運は? |
四宮神社拝殿。祭神は市杵島姫命。中央区中山手通に坐す。因みに社名は「シノミヤ=shinomiya」が古来の通称だが、近年一宮(ichinomiya)七宮(shichinomiya)との口頭(電話)での誤認防止のため「ヨノミヤ」と呼ぶようになったという。 |
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正面一の鳥居。ご覧のとおり高層ビルの谷間に鎮座する。 |
本殿。今回の八社巡りで本殿が望めたのは稀有のことに属する。 |
五宮神社拝殿。祭神は天穂日命。兵庫区五宮町に坐す。現在は8社中一番標高の高い場所に鎮座しており、元は宇治川の氾濫原にあったため、現在地に移ったのではとの説がある。 |
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神社正面鳥居。一番広い境内を有するが境内に社叢は無い。ただ背に六甲の山を負うためそれが雰囲気を和らげている。 |
左奥は臨済宗・祥福寺。乃公、早とちりで神仏混淆時代の名残を想像したが、当寺は明治4年開創というので全く関係なかった。 |
八宮神社拝殿。祭神は熊野杼樟日命及び素盞嗚尊。明治20年(1887)神戸市役所新築のため八宮神社が現在地(中央区楠町)に移転。明治42年(1909)小学校新設により六宮神社が八宮神社に移転・合祀という変遷の歴史をもつ。六宮の祭神は天津彦根命と応神天皇。お社は東(微北)向き。 江戸時代はというと、攝津名所圖會にはこう記す。「八之宮(はちのみや) 六之宮(ろくのみや) 共に坂本村にあり。生田裔神八前の内なり。此所の生土神とす。六之宮は今幸神祠と稱す。側に観音堂あり。」 |
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八宮神社社頭。合祀された六宮神社は北門鳥居脇の掲示板に書かれているだけで、あと何処にも説明が無い。 |
本殿。北側に六宮神社、南側に八宮神社が鎮座しているという。この情報は神社でなくネットで得た。 |
七宮神社拝殿。兵庫区七宮町に坐す。祭神は大己貴命・大日霊貴命・天児屋根命(後述)。この社殿の後は国道2号線。その上を阪神高速神戸3号線が唸りを上げ、とんでもなく賑やかな環境は八宮神社のそれを上回る。「七宮神祠(しちのみやのやしろ) 當津(編者注:武庫の津)北濱にあり。此町の生土神とす。例祭三月九日。別當神宮寺。(河内名所圖會)」 |
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バイパス側(東側)が正面のようだが、実は拝殿に向かっているこれが正面鳥居のようだ。南(微西)を向く。 |
生田裔神八社は冒頭に言及した通り、アマテラスとスサノオの「ウケイ」の段で産まれた三女神・五男神を奉斎したとされている。しかし他の7社はすべてそのうちの一柱が主祭神なのに、この神社は“残る”一柱・活津日子根命を奉斎せず、この拝殿扁額通り大己貴命を主祭神とする。調べた限りではその理由がわからず仕舞いだった。 |
生田裔神八社めぐりは、まず生田神社からはじめて一、二、三・・と進み、七から八へ戻って満願となる筈だ。信薄き(笑)乃公はまず生田さんを飛ばした上、八宮で2社分のお▲▲を弾み、2社分の◆◆を打って、至極不真面目な満願となった。生田裔神の神々よ許したまえ。 ・・・・・ こぼれ話と今日のルートマップは→こちら |