阿武山  平成2(1990)年3月21日ㅤ

9時コーラス練習に出かけるY子さんと一緒に出、阪急富田へ。駅前で飴2種類を買い、JR富田駅前から高槻市バス。見ると萩谷行きは1時間待ち。ママヨとばかり目の前にあった10時発奈佐原行きにとびのる。ところがこれが正解だったのである。南平台を回ってバスは左へ下り、「次は奈佐原」とのコールがあったところで下りる。

何と目の前に「阿武山古墳入口2q」の表示があるではないか。バンザイ!!

時まさに10時15分。わかりやすい道を一路西へ。目の前が阿武山である。京大地震観測所の塔がそびえている。途中建設会社の資材置場がそこここにあり、興趣を削ぐことおびただしい。

道標に従って新阿武山病院を左に見、10時40分地震観測所の門を通過する。何だ、この道は観測所専用の道だったのか。

100m位入ったところに車を止めた熟年夫婦がいる。(一般車輌進入禁止ではなかったか?)奥さんが下界を向いて盛んに詩吟を唸っている。なかなかの美声と見受けた。

45分観測所前に出る。歴史の重みを感じさせる立派な建物。斜面に建っているので全容はわかりにくいが。

建物の西を回り込んで階段状の道を少し上がると、そこはもう阿武山古墳である。本当に観測所の裏手にピタリと接してある。すっかり整備され、明るい。

周濠(というより周溝)跡の窪みが廻り、中央の墓室の場所を囲んで10m平方くらいに樫の木を並べて植え、鎖で囲ってある。それをめぐりコンクリの歩道がつき、ベンチも置いてある。4、5歳の娘を連れた父親が居た。ほんとにハイキングとしていい所である。周囲はグリーンの金網で囲ってあり、通路以外からは入れないようになっている。

しばし写真をとってから出発。11時。すぐ左へ桑原橋へ下りる道を見送り、武士自然歩道に入る。

 (火気厳禁・茨木市 の表示板を咥え込んだ木。そうか、ハラ減っとんのか)

15分阿武山の頂上に立つ。281m。東へ下る道がある。三等三角点に測量用の赤白のポールが針金で固定してある。例によってセルフで写真をとる。カメラを固定するのに苦労する。見晴らしはあまり利かない。
 

犬を連れた若夫婦に挨拶して出発。100m余り行ったところで1人のおっちゃんが「阿武山はまだありますか」「(無くなってませんよ・・・・でなく)すぐですよ」
 尾根道はまもなく終り、右へ急坂を下りる。フト見ると乗用車が2台右の斜面に落として放置してある。自然歩道とは一体何なのだ。そう言えば自然歩道のそこここに見られるビニール紐の目印も問題だ。大体こういうものをくっつけるのはボーイスカウトか子供会。選挙のポスターでも後始末をするのに将来の人材を育成する団体がこんなことでどうするか。ビニールは腐らない。服部緑地の清掃奉仕でつくづく感じたことである。ここにも資材置場や飯場があり、都会郊外がだんだん荒れてきていることを感じる。
 関西電力の北変電所がだんだん大きく見えてきて、11時45分阿武山口バス停に出る。ここからしばらく府道を歩くことになる。

55分「右萩谷みち/左車作・妙見道(?!)」の古い石の道標があって、府道と分かれ、左の山道に入る。

これもすぐ車作から来る林道(東海自然歩道の一般コースでもある)とクロスして、道は階段(例のコンクリ製の丸太まがいのもの)を登り、急斜面を尾根に向かう。

尾根道はだんだん傾斜を緩め、伐採、植林してあるところへ出、まもなく348mピークに着く。12時20分。

何とかコミュニティというグループも昼食中で、そのそばでカブ弁3個を平らげ、ショルマートの自動販売機で買ったウーロン茶をのむ。ジャンパーを拡げ、靴下を脱ぎ、うつぶせになって暫しまどろむ。両足とも少々靴ずれの気配。
 快晴。阿武山の遠く向こうに生駒も見える。東に見えるピークはポンポン山か。突如凄い音。何事ならんと身を起こすと、オフロードなるものにうちまたがった白馬の騎士の登場である。それも数人のグループではないか。ハイカーに残された僅かな楽しみの場を壊さないでほしいもの。
 何とかコミュニティの出発を機にこちらも身支度をして北へ出発。1時10分。今回のコースは比較的広葉樹が多く、気分がよい。特に晩秋から今頃までは山が明るい。足もともふわふわと気持がいい

1時30分、東海自然歩道の健脚コース・竜仙滝→萩谷の途中に出る。この辺りから針葉樹が多くなり、暗い。かつて忍頂寺から摂津峡へ抜けたときは雨で暗かったから、余計そのイメージが強いのかもしれない。谷を下って1時50分萩谷に着く。
 ところが、である。ちょっと先のバス停ではJR富田駅前行きが2時54分と1時間待ちなのである。摂津峡へ出るにも車作へ行くにも距離と時間とを考えると、いっそバス道を歩く方がまし。そう結論して歩き出す。

2時20分阿武山口、30分月見台。殿岡神社の横穴古墳を見学し、3時に出発点の奈佐原に着く。

何キロ歩いたろうか。3時05分のバスでJR富田駅前へ。JRで岸辺、バスでレナウン前、元ヤング北浜店長がこの1月開業したルネの中のヤングで散髪して帰宅する。