時間を間違えて、一条池からJR茨木までタクシーを飛ばす破目になる。次のバスではうまい連絡がないのだ。1,200円余り乏しい財布から余分の出費となる。 |
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10:25「ようこそ霊仙山へ」の表示板に「1合目まで3.9km」。10:40父娘3人休憩していた水場で小憩。顔を洗い水を呑む。このあとだんだん後発の連中に抜かれる。 |
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10:55ダイヤモンドトレイルの行者杉や金剛山の夫婦杉と比べても遜色のない二本杉のある1合目。小さな広場があり、小憩。ここでも抜かれる。しかしこういう空間はほんとにホッとする。 |
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このあと尾根に出ると潅木帯となり、ウグイスが鳴き交わし、熊笹の道となる。 |
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ふりかえると駅前で見えてからしばらく見えなかった伊吹山がやや霞んでその雄大な姿を見せている。 |
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11:13 2合目、11:25 3合目、11:37 4合目と上がってゆくが、9.8kmは遠い。この辺りでだんだん気分的にもしんどくなってくる。4合目にはJRのコンテナを転用した避難小屋がある。せいぜい1,000mの山に、それも4合目にこんなものがあるのは、案内書にもあるように天気の急変しやすい山で、道に迷い易く、トレイルそのものが長いところに原因があるのだろうとひとり納得する。 |
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ここで4人グループが2組休憩していたが、1組先発したのに続いて出発。しばらくほとんど木のないところを下る。この山は範囲が広いというか、山容が大きいというか、こういう下っての登り返しが実に多かった。けど先が見えていると「マ、しゃあないか」という気になる。 |
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このあたりからだんだんしんどくなる。僅か10歩程度歩いてハァハァだからどうしようもない。11:55 5合目。ガイドには水と書いてあったが何処にあるのか、こんな記述は場合によっては人殺しですョ。10分ほど休憩する。 |
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12:20 6合目、12:30 7合目、12:40ママコ(継子)の穴というドリーネ跡の下を通過する。見物している余裕がない。あるグループが駆け上がって見に行ったが、一人残っていたおじさんにあたりに咲いている花の名を教えて貰う。(すぐ忘れたが) |
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7合目には先ほどの花が群生している。このあと山腹を巻いた道をずんずん下ってゆく。 |
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大丈夫かいなと思うほど下ったころ鞍部に出る。12:55。谷山谷から上がってきた家族連れに柏原道を聞かれる。 |
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行く手にこんもりとした山がみえる。天辺に三角点らしきものも見える。急斜面。あえぎつつ一寸刻みに登る。あれが頂上だよ。がんばれ。 |
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しかし体は極限のようだとささやいている。とにかく1時を回っている。めしだ。小屋の後ろへまわってシートをひろげ、へたってお茶を飲む。ガブガブ飲む。おにぎりを食べかけるが、咽喉を通らない。ようよう1コだけたべて暫く寝てしまう。 |
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一面の石灰岩の原っぱである。秋吉台をフト思い出す。程なく頂上につく。ヤヤッ。まだ向こうに人が沢山いるもっと高いピークがあるではないか。標識を見ると、ここが北霊仙山(経塚山)で、さっき誤認したところ=ここから見るとピークでなく、単なるコブのようだ=は何でもないようだ。とすると地図の「避難小屋」の位置ばどういうことになるのだ。そういえば今いるピークから西へ道が続いており、これが汗拭峠への道のようでもある。 |
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引き返し、小屋のそばで子供2人を連れて出発準備をしていたヤング(お父さんかな)をつかまえて道を確認してみた。「ああ、汗拭峠ならあのピークと霊仙山の間・・・というよりあのピークから西に出ている道をとれば行けますよ。え?さっき上がってきた?それじゃそこから直接行かれたらよかったのに。谷山谷ですか?私たちも下りますがね。ここを下りて鞍部から左へとれば一本道です。ウンそりゃ汗拭峠の方が早く車道に出るぶん道はいいですがね。くねくねしてやたら長いですよ。谷山谷は少々けわしくて道もあまりええことないですけど滝があるし変化に富んでいて面白いです。足が頼りない?僕も子供二人連れてますけどこれでも大丈夫ですから」てなことで谷山谷を下る破目になってしまった。 |
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2:25出発。苦手な下りの始まりだ。32分峠分岐に着き、谷道の下降開始。しばらくはよかったが、葛城か生駒かという位のドロンコ道に出っくわし、往生。前を歩いていた親子3人連れが子供の悲鳴でしばし立往生したところをお先にと失礼して先を急ぐ。ドロンコ道は100m足らずで抜けたが、それからがすごいことになる。 |
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木の枝を拾って杖代わりにしたのが正解。殆ど伏流の谷だがしばらく行くと石の積み重なりの間からザアザアと流れ出てくる岩清水。これがガイドの水場の一つだろう。苔に滑らないよう踏ん張って飲む。大分しんどかったのと先にまだあるだろうという感じで、空のテルモスを一杯にしておくべきだったと悔やんだのは大分行ってから。ここではのどがかわいた、と、足もとあぶない気をつけよ、と、あとどの位あるんやろ、と、この3つしか頭になかった。地図を見ることも、手帖に通過時間を記入することも忘れていたのだ。 |
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3:10 左に大きく高巻きして少し戻って広場に下りるとそこはうるし(漆)が滝の展望所。見事である。水量も多く、数段に分かれて落ちている様は見事としか言いようがない。ホッとしてしばらく休み、写真を撮る。夏場ここまで涼みがてら登ってくる人が多いというのも首肯ける。 |
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下りかけるとすぐ「車道まで50分」の指示標識。上丹生バス停前のお店が付けたものだが、これにどれだけ元気付けられたか。サアあと1時間足らずとの思いが足取りを心なしか軽くする。もっとも軽くなっているのは心だけで、足もとは更に重くなっている。その証拠に何度も爪先を岩にぶっつける。ちょうど大峰の下りと一緒。靴(軽登山靴:2回目)も同じ。この調子では両第1趾の爪をまたいわすのではないか、現に半分しびれ感覚がある。 |
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4:40ようやく上丹生のバス停到着。“木彫りの里”とある。この山奥の唯一の産業を大事にしてゆこうとする地域の人々の努力の現われであろうか。 |
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やがて養鱒場始発のバスがくる。5:00。米原行き。小型の近江バス。満員スシ詰めである。15分ほどでJR醒ヶ井駅着。殆ど降り、6〜7人だけ米原行き。休日の夕方とて結構車が多いが、さしたる渋滞にもならず、5:25米原駅着。 |