かまどやで280円のおにぎりを仕入れ、10:15のバスでJR茨木へ。乗ってから、泉原方面へのバス時間を調べておくんだったと悔やんだがあとのまつり。事の発端はY子さん。一緒にポンポン山へ行くつもりでいたのに、まぎわになって中止。ならば1人で茨木へ、と急拠決まったがためである。 |
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茨木サニータウンを過ぎて大岩郵便局前に下り立ったのが11:37。ここは以前泉原から阿為神社へ歩いたとき通った道だ。狭い爪先上がりの道が古い家並みの間に続いている。枯葉の散り敷く道に歩を進めるが、ずっとアスファルトの簡易舗装なのはいただけない。千提寺分かれを11:52に通過、ここから泉原までは一層山道の様相が濃い。けれど依然アスファルト道であることに変わりはない。 |
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ぐんぐん爪先上がりに登ってゆく道をダンプを含め大きい車がわがもの顔に走る。かよわい身一つのハイカーは小さくなって路肩をつつましく歩く。いつもながら、いったい主人公は誰なのだという思いがかすめる。以前忍頂寺から箕面へ東海自然歩道を歩いたとき、ここの素盞鳴尊神社から道を間違えたことをおもいだす。そうだ、この道に出てきてしまい、同じように車に憤慨したものだ。 |
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12:28自然歩道の入口に到着。この豊中亀岡線は、少し先で右にとると北摂霊園へ向かう道となる。ここからヘアピン状に折り返して山に上がってゆく。トラクターに乗ったオッチャンが追い越してゆく。12:36、右方素盞鳴尊神社へ向かう東海自然歩道を見送り、いよいよ山脈自然歩道の本番がはじまる。 |
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地図を見るとずっと谷道である。ああうっとおしい。でも仕方ないか。ここも爪先上がりである。途中ライトバンやトラックで来てパイプから出ている山水をポリタンに汲んでいる人が数人。一升瓶と焚火と昼めし。何か飲食関係の商売をしている人だろうか。腹がへってきたが、もう少し頑張ろう。谷道で飯を喰うぐらいうまくないものはない。川が右になり、左になりして水音が高かったのが、登り道が右にヘアピンカーブしてからパタッと聞こえなくなった。谷道から山腹を巻く道に入ったからだ。更に8分ほど南へ戻りながら上がって、ちょうど1:00、林道のもう一つの左回りのヘアピンカーブにさしかかる。 |
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絶景かな、絶景かな(オーバーだが、谷道を歩いて来た身にはまさに“絶景”だった)。竜王山から茨木方面の市街を経て、遥か彼方に生駒山がくっきりとその威容を見せている。 |
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そろそろ昼食にしよう。少し行ったところにガードレールの外で坐れるところがある。前方には竜王山。下方は切り落ちて数十米下に溜池がある。そこにへたり込んで、出掛けに買ったおにぎりをビール(これは実は茨木駅前で買ったもの)で流し込む。1:05。 |
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少し左足の裏が痛い。靴を脱いでみると、親指の付け根の固くなっているところのそばが赤くなっている。靴下を裏返しに穿き直して、少しでも当たりを軟らかくしようと試みる。 |
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1:35多留見峠。柳田国男先生だと「たるみ」に何らかの説明がつくところだろう。素人でも山が弛んで低くなっているところで単に「たるみ」で「峠」の意なのかも知れないと想像がつく。左へ下りると能勢郡豊能町福田、舗装の林道を右に下りると上音羽。つまり能勢と上音羽を結ぶ峠なのである。講釈はともかく、まっすぐ行くのが自然歩道。セルフで写真を1枚撮って出発する。 |
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ここからはほんとに落葉散り敷く山道。地道なのである。快適なためどんどん歩を進めると、あっという間に車道にとびだした。 |
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上音羽の倶楽部前バス停。1:50である。相変らず車はひっきりなし。倶楽部の建物は締まっていてひっそりしている。青年クラブなのか、老人クラブなのか。昔からの地区公民館みたいなもの。 |
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工事中のそばをすり抜けて、小径を谷に向かって下りてゆく。どうやら地図で見ると上音羽の集落はもっと左の奥のようである。倶楽部のまわりには人家がほとんどない。谷に下りてすぐ前の道を登る。ゆるいスロープだが遊びのない登り道。林道工事中である。ショベルカー3台ほかで突貫工事の様相。足の裏にくる土の感じがいい。 |
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銭原のバス停は、茨木市青少年自然の家の入口でもある。折しも空は快晴。太陽は燦々と降りそそぐ。しばらくバス停で休憩する。北の尾根をちょっと越えるとそこはもう京都府亀岡市なのである。悲しいかな、JR茨木行きのバスが2:01に出たあとで、3:50まで約1時間半バスが無い。しばし考える。 |
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空はあくまで晴れわたり、足もさほどではなく、割に快調に車道を下る。折しも梅が満開。山田近辺ではほぼ満開の木蓮の蕾はまだ固い。こんなところに住んでいる人は一体どうして暮しているのだろうという疑問がいつものことながら頭をよぎる。バスでは1時間以上茨木までかかるし、そのバスさえ日に数本しかない。 |
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3:00長谷口バス停着。前方に“裏竜王”がそのでかい図体を見せている。茨木方面から見た竜王山は「摂津富士」の異名(私の命名)に違わず、秀麗の一語に尽きるが、裏は「バック・ブス」である。 |
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バス道から右に下り、小川を渡り、たんぼのなかを少し行ったところの集落にキリシタンの遺物があるとの表示が出ていたので寄ってみたが、どの家かわからない。何でも象牙に彫られたキリストの磔刑像だそうである。キリシタン自然歩道は千提寺を含め、こういうのが多い由、一度ゆっくり歩いてみたいものだ。 |
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落葉でふわふわの道が続く無名峠をあっという間に越え、3:26忍頂寺着。3:24に茨木行きが出た直後でここでもがっくり。仕方がないので付近をぶらぶらして時間をつぶし、4:00(これが銭原3:50のバスだから速いネ)に乗って帰る。久しぶりで疲れたヨ!! |