山田を10時01分の電車で出発。堺筋本町で乗換。しかし生駒行きは本数が少なく、15分ほど待ち、10時48分に乗って生駒に11時16分着。近鉄東大阪線初乗り(新生駒トンネルも初くぐり)である。 |
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駅のそばの近商ストア地下で稲荷と新香巻を買って11時30分出発。すぐ前の商店街を南にとって宝山寺参道を目指す。ところが、行けども行けども参道に出ない。変な家の間の路地を抜けて行くうちに、フト見ると電車の線路が右手に見えるではないか。慌てて地図を出して見るとこれが登山ケーブル。早く右にとり過ぎて登りかけたのだった。 |
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ようやく参道に出る。割に幅の広い石段が続いている。フト、金毘羅さんをおもいだす。鳥居がある。ハテ、宝山寺は寺だった筈。しかし生駒聖天ともいわれ、民間信仰が厚いところだ。混淆はよくあること。 |
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とはいうものの、依然舗装の石段で、山登りの雰囲気ではない。まるでお宮参りかお寺参りの感じだ。すぐ左にケーブルの梅屋敷駅を見ながらのぼる。どんどん下りてくる人もいる。霞が丘駅を過ぎるあたりから、日陰の木の葉や草の上に雪が残っている。のどが渇くが、雪は食べるほどの量もなく、またきれいそうでもない。 |
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写真撮影用のポイントを探してウロウロする。たしか遊園地の中に生駒山のピークがあるはずと思って歩いていると、あった、あった。ミニレールの駅に「ちょうじょう なら←→おおさか」と書いてある。うまい工合に列車もストップしている。通りかかった人にシャッターを頼んでパチリ1枚。たしかここは標高642mの生駒山頂上のはずである。 |
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どこかのハイキングパーティ(3〜40人いたか)が昼食を終って回数か累積距離かの表彰をやっているそばでメシにする。見ると、全員靴とズボンが泥でひどいことになっている。定めしこれから下りて行こうとする方面を登ってきて、ドロドロになったに相違ない。ふと見ると自分もズボンに泥がはねているではないか。自分の登ってきた道は泥道ではなかった。今までほとんど石とコンクリの道でこれだったら、下りはどうなることやら。 |
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12時50分出発。各TV局のTV塔が林立する間を抜け、1時00分縦走路と下山道の分岐に出る。標識が「左行き止り」とあり、前を歩いていた人が途方に暮れている。ちょうど上がってきたベテランらしきおじさんに聞く。「いや、この標識は間違ってるんですよ。左が信貴山への縦走路なんです。」 |
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目の前には電波管理事務所の建物があり、その蔭から出てきた4人連れに聞くと、「この道でいいんです。でも道は悪いですよ。」ソレ来た。いわんこっちゃない。しかし大したことはなかろうとタカをくくり、熊笹の下山道にかかる。 |
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ところが、ところが、である。ちょうど、雪の少なかった一昨年の高見山の大峠への下りのようでベチャベチャである。高見山の方が雪が多かっただけにまだまし。すべるし、よごれることなどかまっていられない という感じ。熊笹につかまりながら足を開いてアッチ、コッチとやってゆくが、大事をとるものだから、アッという間に4人連れの姿が前方へ消えてしまう。メシ喰っていたときにあったズボンのよごれなどよごれのうちに入らない。ここでキッチリ泥ズボンになってしまった。 |
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15分でドライブウエイがヘアピンになったところに出る。展望台があり、1人メシを喰っている。大阪方面は霞んで殆ど見えない。生駒山上はドライブウエイだらけのようである。ふりかえるとTV塔は指呼の間にあり、悪戦苦闘したのがウソのようだ。もっと沢山の距離を歩いたような気がする。 |
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日和はもう一つはっきりしない。少し下りて行くと、ドライブウエイが左がわに少し見え、そのそばを通りながら縦走路はまた右の笹の中に入ってゆく。しばらくあって3回目のドライブウエイに出る。 |
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標高455mの暗峠は雪が舞っていた。いろいろな道標があるようでいて、その実ほとんど消えてしまっているんだそうな。峠道がドライブウエイをアンダークロスする場所から10mくらい西が峠のピーク地点だが、ここに残る石畳もコンクリで固められ、自家用車が行き交う。時に1時35分。カメラのフィルムを入れかえ、残ったコーヒーを飲んでから峠道にかかる。 |
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だんだん腿とふくらはぎが突っ張ってくる。急な坂。それでもヘルメットをかぶった勇敢なヤングがバイクという名の今風戦車にうち跨り、凄い音を立てて登ってくる。道のいいところはこれだから困るが、かといってこんな日和に地道を歩くと大変である。うまくゆかないものだ。 |
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駅前から家(聡が出る)にрオて無事を告げ、ホームに入ると、各停はこの時間帯で1時間3本。ドンドン特急、急行、準急が行き過ぎる。観念してホームのベンチでズボンの泥落としに専念する。下り道をしっかり歩いたおかげで幸い乾燥しており、何とか泥は落ちた。やがて各停がくる。心は急げど電車は進まない。あまつさえ途中で特急に追い抜かれる。 |