♣ 独 行“五條市に式内社を訪う” ♣
大和二見の一つ手前に隅田(すだ)という駅があるが、聞いたことがある名前だと思って帰宅後調べたら、ここの八幡神社に伝わる銅鏡は6世紀に作られた人物画像鏡で、日本最古の金石文の一つとして国宝に指定されている。ということだった。ま、それはともかくとして、 |
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JR大和二見駅→(1)→二見御霊神社→御霊神社(黒駒)/落杣神社→火雷神社→(2)→宇智神社→(3)→JR五條駅 |
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橋本駅(和歌山県)で南海からJRに乗り換える。 |
橋本から3つ目→下兵庫→隅田→大和二見駅で下車。 |
二見御霊神社境内から吉野川を望む。ここは屈曲点。向こうに大川橋が見える。釣人がそこここに。 |
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【今日の第@ターゲット】とファンファーレを鳴らしたいところだが、式内社に比定される二見神社は二見町2丁目に坐すそれだという。何を勘違いしたのか。帰宅してから分かったこと。仕方がないから(御霊さんスミマセン)完全に「二見神社はここ」と信じ込んで訪れた「二見御霊神社」を紹介する。参考までに【大和名所図会】の二見神社の記載を載せておく。二見神社(ふたみじんじゃ) 二見村にあり。今雨師と称す。〔神名帳〕に出づ。それにしても情けない喃。 |
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吉野川にかかる御蔵橋を渡って黒駒町地区に入る。 |
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道なりに坂を上ると・・・石段の上になにか石柱が見える・・・あれか・・・ |
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巨石を背に実にささやかな祠が鎮座する。「式内・落杣神社」が丘の上の御霊神社に合祀されるまでここに坐したと伝える。 |
その巨石の上に この古墳がある。古墳時代後期の円墳という。 |
その落杣神社が今日の第Aターゲット。現在は黒駒の御霊神社に合祀されているというのでその御霊神社を載せた。【大和名所図会】落杣神社(おちそまのじんじゃ) 在所不詳。或曰く、黒馬村にあり。今御霊と称す。近隣十三箇村の氏神とす。鳥居には「御霊宮大明神」と「落杣神社」の扁額が並んで揚がっている。 |
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南へ延びる長〜い参道。 |
やや東に巨樹の印象的なお寺。気のせいか五條にはこういう宝形造の屋根を持つお寺が多い? |
↑緩い棚田の向こう、深い森を背に坐す火雷神社。式内宮前霹靂神社の論社でもある。ここは吉野川に丹生川が合流する地点の段丘上である。【大和名所図会】火雷神社(ほのいかづちのじんじゃ) 御山村にあり。今雷神と称す。そして宮前霹靂神社(みやさきかんときのじんじゃ) 西久留野村にあり。今雷神と称す。ここは今日の第Bターゲット。↓・・当社は井上内親王の若皇子を祀ったと伝える。 |
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下田橋からの丹生川風景。学生時代御所のSTくんチへお邪魔し、賀名生へ観梅に連れて行って貰ったことがあった。この川はその賀名生方面から流れてくるという。ここから片道900mがとこ遡行すればもう1社行けたのにとは帰宅後のボヤキ。この時は体温上昇、ボー状態でそれどころではなかった。【大和名所図会】丹生川(にふがは) 水源吉野郡加名生谷より丹原・生子を経て、霊安寺村に至って吉野川に入る。左写真の橋は旧道の橋、右写真の山は金剛山(1,125m)。 |
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夫である光仁天皇を呪詛したとして廃后された井上内親王は、旧宇智郡=今の五條=に幽閉され、そこで死を賜ったと伝えるが、その鎮魂のための御霊神社が五條市内に23座も鎮座すると聞いてびっくり。この森はその名も霊安寺町に坐す御霊神社の社叢。市内数多の御霊神社のご本家みたいなもの。【大和名所図会】御霊神祠(ごりゃうのやしろ) 霊安寺村にあり。五條村と共に氏神とす。井上皇后他戸親王の御憤つよく、世の人をなやませしに、勅使を立てられなだめさせ給ひて、終に御霊明神と崇められき。/本社 中央御霊井上皇后、北は早良親王、南は他戸親王三座。若宮一座。(後略) |
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おやおや見えてきたよ、何、見えないって?目を凝らしてよく見てご覧。 |
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そう、これは鉄道の高架の跡。その昔 五條と新宮を結ぶ鉄道が敷設される予定(中止)だったその名残。地図にその痕跡が残る。 |
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大川橋。五條の中心部にかかる橋で、十津川筋へ向う国道168号線の橋。折しも新宮へ向かう奈良交通のバスとすれ違った。遠く金剛山・・・と書くと余裕綽々のようだが、実はバテバテ。次のお社へ最短距離でも3.6kmあり、何度も挫けそうになる。でも次は旧郡名を冠したお社でこれを諦めると遥々来た五條歩きが完成しないではないか、そういう理路滅茶々々の頭が痙攣の来かかった足を無理やり動かせる。 |
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漸く着いたぜ、今日4つ目にして最終ターゲット宇智神社到着。宇智神社(うちのじんじゃ) 今井の安生寺村、宇智川の東南にあり。今國生明神と称す。境内に安生寺あり。 実は既に丹生川神社をすっ飛ばしており、このあと参詣予定の荒木神社も諦めた。だいたい最初の二見神社は間違えるわ、今日のプランニングはどこか間違っていたに相違ない。境内の手水舎で柄杓3杯のお水を貰って頭を冷やし、しばらく反省休憩。 |
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境内に残る安生寺。「残る」はないだろうが、神社ともども“無住”状態ありあり。 |
北向きの一の鳥居。駅はここから西へ道なりに約1km。もうホッとした状態で歩を運ぶ。 |
13:25五條駅到着。真先に駅前のバスターミナルで八木行きのバスを確認するが、半時間以上待ち。駅舎に飛び込むと奈良行きが13:30発。もう橋本回りがどうだとか、奈良行きに乗って乗り換えをどうするだとか考える暇すらない。ICカードが使えないので券売機で500円の切符を買って発車間際の電車に飛び乗る。損も得もないとはまさにこの時の心境だった。 |
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高田で桜井廻りになると聞き、近鉄に乗り換えることにする(500円はぴったしだったのだ)。500mがとこ歩き、大和高田駅のホームで今日初めてのコーヒー(安かった不味かった)を飲んで急行で帰路につく。 |
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今日の総歩数 10,220 歩  ̄|△| ̄ ルートマップはこちら |