京・北山の峠を二つ越えて  2011年6月14日

♣ うりぼう会ハイキング“旧花背峠” ♣

SB同僚MCさんからのお誘いで、「うりぼう会」なるハイキンググループの例会にビジター参加させていただいた。おそるおそる顔を出したのだったが、案ずるより産むが易し(笑)。幸いにして皆さん明るく接していただき、楽しい山歩きの一日となった。記して感謝である。

コース: 出町柳10:00⇒峠下10:57(520m)→旧花背峠12:10(760m)→勢龍(せりょう)天満宮13:38(630m)→芹生(せりょう)集落13:55→芹生峠14:20(680m)→奥貴船橋15:10(404m)→貴船神社奥社15:21(340m)→貴船神社中社15:35(330m)→貴船神社15:45(290m)⇒叡電貴船口16:41(200m)。<カッコ内の数字はいずれも標高>

本日の最大の売り物=九輪草クリンソウ。花背峠から芹生への下り、灰屋川の湿地に一ヵ所大群落があるのだが、惜しいかな、花は殆ど終わっていた。しかしそこここに桜草のような、というよりもっとシッカリした紅色でその存在を主張していた。

2年前、ほぼ同じ日に満開だったのにというメンバーの話を聞いて、この4月3日Alpine Friends と訪れた山科・毘沙門堂の枝垂桜(→ここ)を思い出してしまった。自然は気紛れなんですね。

京都バス峠下バス停10:57着。出町柳を10時に出て小一時間。運転手が「自由乗降区間なので登山口で停めましょか」と親切に勧めてくれたが、奥ゆかしいメンバーは口々に「バス停で結構」。ここで体操と身繕い。

その結果、結局200mがとこバスの後を追って登り、ここから旧花背峠道に入る(11:12)。そう、ここは体操する空間がない。

滝のへつりにかかるところ。手がかり・足がかり共に少ないため、一人ひとり時間がかかる。左上方向へ草付きの崖を攀じた人も数人いた。

滝のへつりを俯瞰。水量が少なかったのが幸いし、全員無事パスできた。上がってから気付いたのだが、上に向かって右方に高巻き道があった。しかし登山途中では“踏まれている方”をとり、ちょっとでも「×」めいたところは避けたくなるのが人情。ま、結果オーライ。(11:45)

へつり=主として沢の遡行時に現れるゴルジュ(両側の岩壁がせばまっている谷)など、高巻きや徒渉もできない場所を越える際、水際の岩場を横へ横へと移動すること。要するに岩場のトラバース。(Weblio辞書を参照した)

伐採跡に出ると♪空は青空(みんな熟年)♪で高原状の雰囲気。

蝮草マムシグサ。サトイモ科だそうだ。

アジサイのようで背が高い 「藪手毬ヤブデマリ」。  

鞍馬尾根への林道へ到着。だいたいこの辺りで標高750m。

「アソガ谷を経て貴船」の標識。後刻この谷道の出口に逢うことになる。向こう50mで旧峠。

旧花背峠。大杉の根元に地蔵尊をまつる。ここで今日の昼食(12:10)。意外に風が通って涼しかった。

いまの花背峠が明治40年に車道として開通した(らしい)あとここは“旧”峠となってしまった。三叉地点から右向こうへ伸びるのが花背集落へ向かう峠道。左方向やや登りの道が芹生へ向かう灰屋川谷道へ続く。

マムシグサは飽いてくるほど見かけたが大半は盛りを過ぎていた。

芹生峠方面への林道を左へ見送り、灰屋川への谷道に入ってゆく(12:50)。地図ではこの辺を京見坂というらしいが見えればこそ・・・。

それ来た。クリンソウだ。先達が口々に“先に凄い群落があるから”というのも構わず、撮る。

谷空木タニウツギ。これも最盛期だろう。新しい視界に必ず入ってくる。ピンクがかった薄い朱色が谷を明るくする。

クリンソウ−その1−

クリンソウ−その2−

クリンソウ−その3−

クリンソウ−その4−

カエデのようで翼果がない。これは楓ではないのか。

これもヤブデマリ。

Sample

二人静フタリシズカ。“ヒトリやのに”、と突っ込みを入れる勿れ、三本のもあるという。これも結構あちこちに咲いていた。

勢龍天満宮(13:40)。
ㅤ歌舞伎「菅原伝授手習鑑すがわらでんじゅてならいかがみ」のヤマ場となる「寺子屋」の跡と伝える(橋の欄干に注目)が、このお社、実は明治になって建立されたものらしい。

芹生の里。人ッ気が殆どない。ところでここに流れる川は?と調べたら、何と北流したあと西へ回り込んで大堰川・保津峡の源流にあたるということだ。

橋を渡っていざ、もう一つの峠・芹生峠を目指す(14:00)。芹生に入ってずっと舗装道路ばかりで少々応える。

せせらぎの傍、ここにもクリンソウ。これが今日の見納めだった。

芹生峠標識。ネットではバイクやチャリツアー紀行によくここをバックにした写真が出てくる。標識に曰く「芹生峠/標高約680m/比叡山を望む」・・・望めへんかったなァ。

あとはここから標高差にして約400mをひたすら下るだけ。水分補給して一息入れる。(14:20)

奥貴船橋前。この200m奥がアソガ谷出合だった。(15:10)

雪ノ下ユキノシタ。乃公にとっては生薬のイメージなのだが、、かわいい花。

貴船神社奥宮一の鳥居。そばに和泉式部ゆかりの「思ひ川」の碑がある。(15:25)

奥社の少し下にあった中宮(15:35)。結社ゆいのやしろとも言う。

貴布禰きぶね総本宮 貴船神社一の鳥居(15:45)。祭神はたかおかみの神。要は雨の神・水の神様だ。

・・・ということで、叡電貴船口が終点予定だったのだが、下り一方1時間ノンストップ行程が続き、貴船で16時近くになったことから駅前までバスのお世話になった。
 気侭なビジターだったにもかかわらず皆さんから暖かく接していただいて気持のよいハイキングになったことを感謝したい。「また参加してください」のご挨拶が快く耳に響いた。 印は MCさんの懇切な示唆を頂いた。感謝。

今日の総歩数 21,767歩    ̄|△| ̄   ルートマップはこちら