ゑんじゃうじからたきさかのみち  2010年2月25日

♣ 歴史ハイキング“柳生街道” ♣

朝日カルチャーセンター「歴史ハイキング」2月例会。2月にしては例のない暖かさのなかを歩いた。
 近鉄奈良駅前4番乗場から邑地中村(柳生)行き9時40分発に乗車、33分かけて忍辱山バス停下車(運賃650円)。
 ここから奈良市内へ戻って行くコースのはじまり、ハジマリ!  まずは忍辱山圓成寺。

茶屋前から庭園越しに楼門を望む。国の重要文化財。古色蒼然なるが故の貫禄。

忍辱山バス停からすぐの東門にかかる勧請縄。

ここが庭園を含めたお寺の入口にあたるのか?バス通りに面した山号寺号の碑。「忍辱山にんにくせん圓成寺えんじょうじ

十三重卒塔婆。

街道の石畳。
ㅤよく見ると石の間をコンクリで埋めてある。
ㅤそうなのだ。いつまでも昔の石畳のままであるわけはない。
ㅤこの石畳は間もなく消え、滝坂の道にかかるまでは地道と車道歩きとなる。

空は高曇りで木立の中の道はくらい。
ㅤこのコースの取柄は、このコースをとるかぎり比較的平坦なこと。(除地獄谷)

途中このような隘路が100mほどある。
ㅤしかしその他のほとんどが車の走れそうな道だった。

木漏れ日を受けて光る羊歯の類

遥か南方高円山方面を望む茶畑。
ㅤ茶畑とは言い条、全く手入れされていない。
ㅤ「これお茶の木?」という声が上がったのも宜なるかな。
ㅤそう、お茶畑というのはキチンと刈り込んで手入れされているものをいう、という思い込み。

12時前大慈仙バス停分れでニュージーランド人のハイカーと出会い、暫し集団トーク。9時半に奈良を出たという。
ㅤそこを過ぎるとこの標識に出逢う。奈良市に入ったノダ。

上誓多林集落の茶畑の中に一際目立つ五尺地蔵。

長い木立ちの中の道を歩いてくると、この明るく開けた茶畑の中の三叉路でホッとする。
ㅤ五尺地蔵は左上茶畑の中、石灯籠は右手前方向50m。
ㅤ不便な山の中の集落なのだが、ここ誓多林せたりん界隈はなにか人の心を和ませてくれる。

中誓多林への分れに立つ「太神宮」石灯篭。
江戸時代のものという

上誓多林の鎮守・八王子社

八王子社石段わきには白梅。芳香馥郁

街道筋の標識にはこのマークがついていた。
ㅤ縞の合羽に三度笠といういでたちの旅人二人と楓の葉のデザイン。

かの名高い“峠の茶屋”。
ㅤ有名になりすぎたからかどうかは知らないが、12時半に着いたとき、草餅などあらかた売り切れた後で、何か1品しか残ってないという。
ㅤ昼食に縁台を借りる雰囲気ではなくなり、一同数百b先まで足を延ばし、道端で漸く昼食。

石切峠(約470m)の地獄谷コース分れ。
道は左へ降りて行くが、この標高差約70m。

地獄谷コース分れ標識。
ㅤ地獄谷はまさに千仭の谷。ほぼ標高400mあたりまで切れ込んだ断崖は、足許の悪さで怖くて写真が撮れなかった。
ㅤ400m附近を“トラバース”するため、首切地蔵へはこの標識通り0.4kmのコース差が出る。

本日のハイライト:地獄谷石窟佛。こんな山中で色がよく残っているものだ。
ㅤ正面中央が盧舎那佛または釈迦如来(奈良時代後期)、左が薬師如来、右が十一面観音(ともに室町時代の追刻)といわれる。(説明書孫引き)

ドライブウェイを越え坂を下ると新池。

秋は紅葉が池に映って素晴らしいのだが、いまや冬枯れ。

新池堰堤を下ったところが「春日山石窟佛コース」との出会いである“首切地蔵”。
ㅤ大人3人で抱えきれない杉の老大樹がそこここに。

ここからが滝坂の道・本番。濡れて滑りやすくなった石畳の道が延々続く。幸いにも滑った人はいなかった

朝日観音。
ㅤどうやって彫ったのだろうと思わせる渓流の上の崖面にある。
ㅤ東面して朝日に映えるのでこの名があるという

夕日観音。
ㅤ街道から急斜面を攀じるとそばまで行ける。
ㅤ夕日を浴びると“神々しく”なるので、と説明文にあった。
ㅤ神々しいホトケサマって・・・。

後日記:これは夕日観音ではなく、三体地蔵であることが判明した。お粗末。

寝佛。
「どこにホトケサマがいるの」と喧しかった。
ㅤ「寝ておられる」つまり「横に刻まれた」ものではなく崩落したものだろう。

正位置に直して差し上げたのがこれ。

「右瀧坂/左大杉の木 山神社 鶯瀧」の碑。

この近くで解散。割石町バス停へ向かう人を尻目に春日大社境内へ向かう。

春日大社の摂社・紀伊神社。
ㅤかつてここは「奥の院」と称されていたという。
ㅤこのお社の祭神五十猛命は素盞鳴命の子で、紀伊の国へ樹木の種をもたらした樹神とされている、と説明文にあった。
ㅤここから斜め西北方向へと辿り博物館に出て、近鉄奈良駅へぶじ到着。お疲れ。

番外トピック: 紀伊神社からおりたところで前から来るウォーカーにどうも見覚えがある。近づくと何と我らが希望の星・Glee同期のMTくんではないか。向うはこちらを見るが気付かない。で、帽子を脱いで呼びかけると漸く気付く。互いにふだん見慣れない様子をしていたからのこと。彼はまさしくウォーキング中で、両足首に各々1kgのウェイトを巻いているのに驚く。12km歩いてきた疲れが吹き飛ぶ思いであった。これでないとシングルプレイヤーは維持できないのだろう。 ・・・高垣町の自宅所在は未確認のまま。

今日の総歩数 23,885歩    ̄|△| ̄   ルートマップはこちら