俎石まないたいし山は霧雨の中  2008年4月24日

♣ 歴史ハイキング“紀泉アルプス・俎石山” ♣

前日も翌日も晴れというのにこの日に限って降水確率<午前90%、午後30%>、それが確率“有”に出てしまうのだからついてない。登山口にあるサンヒル阪南のロビイで4月期のミーティングをして雨の上がるのを待ったが小雨は止まず、11時半を過ぎて衆議一決 『行こうや』。
ㅤここは関空島造成第一期の土取りの現場だという。サンヒルの係員の話では30年前は山また山の地域で、地元の学校のハイキングが行われていたという。今は昔 だ。

サンヒル阪南ロビイ前から阪南ネオポリス住宅街、遠く関空島が浮かんでいる(筈の)海方面を望む。写真では海が辛うじて見える程度だが、ややあって関空島や連絡橋が見えた。晴れると明石大橋まで見えるという眺望絶佳のシチュエーション。標高142mで気温は海岸地区より2℃低く、冬場下では雨だがここは雪ということがままあるそうな。

サンヒル前から俎石山への林道に足を踏み入れる。ここの斜面はすべて採石のあと整地されており、原状は想像だに難しい。

林道から谷道へ。こういう地形で谷が僅々左手数メートル下を流れていることが、人間の手が加わったことの何よりの証明。

谷にかかる橋をわたってゆく。

谷道の途中に静まり返る名もない溜池。満水にかぶさる木々の新緑があざやか。

谷道を詰めて40分、ここ尾根に登りつき小憩。ここから尾根道を右にとる。

木々のヒコバエから新しい芽がふく。暗い山道では花と見紛うばかり。

ときおり10m先が見えなくなる。ここが展望ポイントと聞かされるが、どっちを向いても一緒なのだ。尾根伝いに傘の行列が続く

コバノミツバツツジ(小葉の三つ葉躑躅)。残念ながら“アトピン”で拡大不可能。ヤブツバキもあらかた落花後でこれが山道唯一の彩りであった。

尾根道上から南東方向・鳥取池への分岐標識。

由良要塞地区域標』。由良要塞は旧陸軍の要塞の一つ。大阪湾防衛の目的で紀伊半島と淡路島の間の紀淡海峡周辺に作られた。ここもその区域内で立ち入り禁止だった。 クリックで標識拡大(右面に明治32年とある)

俎石山頂上(標高420.04m)到着。2時前で遅い昼食。霧雨が降り続き、じっとしているとどんどん体温が奪われる。ここから修験道の聖地・大福山(427m)を往復予定だったが割愛し、引き返すことにする。

大阪府下唯一の『一等三角点本点』標石。やはり大きい。ちなみに金剛山も一等三角点本点だがピークは奈良県側にあるという。

俎石山は“縦書きカギカッコ”の形をした標高400〜420mの台地状をしている。ここはその南端で200m北に屈折点の北ピーク(展望台)がある。

帰りも深い霧、そして小雨。あちこち引っかかるのでだんだん傘を断念する人が増える。それにしても下山の写真の少ないこと!

下山道途中にあった「四等三角点」標石。残念ながら地形図では同定できなかった。因みに下山道は「しもやまみち」ではありません。

急な、工事用のような鉄パイプ製階段を恐る恐る下りて林道にもどり、ようやく出発点のサンヒルの建物が見えてくる。

道端に白く目を惹いた花。

南海箱作駅陸橋から振り返ると俎石山は依然雲の中。あの中はまだ雨なんだろうなァ。

コースマップはここをクリック