歌垣山から妙見奥の院へ  2007年6月4日

♥ 独行 ♥

能勢倉垣地区の東に位置する歌垣山は、記紀万葉の昔かがい(歌垣、嬥歌)の行われた山として筑波山(茨城)、杵島山(佐賀)と並び今にその名を残す。
ㅤ摂津風土記逸文(釈日本紀)に『・・・・・有歌垣山うたがきやまあり 昔者むかし 男女相集登此上をとこおみなあいつどひてこのうへにのぼり 常爲歌垣つねにうたがきをなす因以爲名よりてもってなとなす』とあるそうな。
時代が下って摂津名所図会にはこう記す「歌垣山 倉垣村にあり。〔釋日本紀述義〕に風土記を引いて曰く、雄伴郡おとものこほり波比具利岡はびくりのをかの西に歌垣山あり。むかし男女此山に集り登って歌垣をして宴す。かるがゆゑに名とす。」

コース : 妙見口駅=(阪急バス)倉垣バス停→歌垣山登山口バス停→歌垣山鞍部→男山(昼食)→女山→堀越峠→妙見宮奥の院→奥の院バス停=妙見口駅

歌垣山登山口バス停から左奥に歌垣山を望む。

登り始めはこのように結構な道だが次第に荒れてくる。このコースは「おおさか環状自然歩道」の一部。

杉檜の谷道で暗く、たまに木漏れ日を浴びた若葉が美しい。

40分喘いで出たところが男山・女山の鞍部(乗越)で林道が・・・。杉原集落から男山へ上がり女山まで通じている。

歌垣山北峰・男山頂上に「歌垣山」はじめいろんな碑と「歌垣サミット」用?の建物(森林学習館というらしい)が。しっかり施錠されていた。

碑の前で記念撮影。上からベニカナメの大木がかぶさる。 click-up

歌垣山は筑波山同様双耳峰。その男山頂上に咲くエゴノキの花はいま満開。保存に留意している様子が右から出た棒から見て取れる。

南西方向にうっすらと六甲山。 click-up

「森林学習館(ログハウス)」裏から西の倉垣集落を見下ろす。

女山への道に咲くモチツツジ。これが一番ましでほかは殆んど萎れていた。

歌垣山南峰・女山頂上の三角点標石“保護施設”。立派過ぎてなんとも仰々しいこと。 click-up

真南に妙見山(奥:666m)とこれから向かう“奥の院のあるピーク”(手前:約540m)が重なって見える。

女山展望台上から北西に見えた深山(791m)と剣尾山(784m)ピーク。 click-up

堀越峠への下り道は峠道が近くなるにつれて急となり、足許がヤバい。

峠から南・妙見宮奥の院への林道。途中の分岐を右にとると地道となり乗越まで急坂。 click-左の石標up「是ヨリ奥ノ院妙見道」

乗越。右向こうへ奥の院。左車止めを越えておおさか環状自然歩道。

参道石段。80段プラス30段ほどあり、こたえた。妙見っていうが、日蓮宗なんだ。??? そうか、神社仏閣を見るとすぐ神道・仏教に区分けしようとする“固定観念”が問題なのか。

奥の院拝殿。扁額には「妙見大菩薩」とある。修繕中で全容は見えなかった。

社務所前で記念写真を撮っていただく。ここの宮司さんが今日山ではじめて逢った人だった。

登山中も下山道にもあちこちに見られたコアジサイ。

阪急バス奥の院バス停前で降りて来た道を振り返る。右方面に地黄城址があったはずだが立ち寄る暇がなかった。

その地黄じおう城(陣屋)の古絵図。

歌垣山の頂上(男山・女山)の整備のされようと、その登山道の荒れようのギャップって、これいったい何? という思いがずっとついてまわった。 とは言いながら永年の思いが叶った山行きで満足感一杯。